海洋観測機「うみログ」を共同開発し、観測機から得られるデータを見える化するだけにとどまらず、機械学習と組み合わせて魚類養殖における自動給餌機能の実現、海苔養殖における食害対策、定置網漁における漁獲予測などに取り組んでいます。 また、空中・水中ドローンを活用した藻場の分布マップの作成や、機械学習による藻類判別についても紹介します。
― Product List ―
うみログは、既存のスマートブイによるセンサを用いた水温やDO、クロロフィルa等の観測機能だけではなく、カメラによる静止画・動画の撮影機能、さらには接点信号の制御機能を付加したスマートブイである。またソーラーパネルを用いることで自立電源による通念運用が可能である。低下価格化に加えて設置作業の簡略化にも配慮しており、2021年のリリース以降、三重県を中心に全国で導入が進んでいる。
本システムはネットワークカメラによりリアルタイムで画像識別による活性判定を用いて、給餌量を適切に調整することが可能。マダイの養殖業では、生産コストの6割以上を飼料代が占めている。本システムを用いることで無駄エサの削減や経費負担の削減、環境負荷の軽減につながる。識別器は養殖筏ごとにネットワークカメラを用いて撮影した摂餌中の画像と非摂餌中の画像を用いて生成しており、その正答率はおおよそ98%である。
機械学習用いて、過去の気象、海象データと海洋観測機で収集した潮位偏差データから未来の潮位偏差から未来の潮位を予測し、最適のり網高さを提案。また、ネットワークカメラの画像を用いて、食害の原因となるカモ・魚を検出し、食害被害があるときのみ音を鳴らし追い払いをする。本システムを用いることで、海苔養殖における海苔網の干出不良対策や食害被害を削減することが可能。
定置網における、過去10年の漁獲量と海象・気象データをもとに回帰分析を用いて、天気予報のように未来の漁獲量の予測を行うことが可能。漁獲時期と最大漁獲量を正規分布モデルで表現することでメンテナンス作業を行う日程の決定や市場への事前連絡ができる。
うみログで得られた海象データをLINEで配信することが可能である。海面養殖自動給餌では、どこにいても摂餌状況の確認が可能になった。海苔養殖においては、水温・潮位情報、食害検知の通知を行うことが可能である。定置網漁では、網内の設置したカメラを用いて、魚検出AIで判定を行い、魚がいる場合に画像をLINEにて送信する。このことにより、現在の入網状況を確認可能である。